鈴鹿8耐を4位で完走!

挑戦の鈴鹿8耐は4位完走

シャーリン選手の欠場など、レース前から波乱含み
4月の選考レース「8耐トライアウト」で鈴鹿8時間耐久ロードレースの出場権を獲得した「オートレース宇部 Racing Team 」。全日本ロードレース選手権への参戦と併せて初出場となる鈴鹿8耐へのテスト走行など準備を進めてきた。

エースの津田拓也に加え、6月7日(水)8日(木)のテスト走行で、スーパーバイク世界選手権に参戦中のハフィス・シャーリン(マレーシア)、イギリス・スーパーストック選手権に参戦中のダン・リンフット(イギリス)を招聘。2人とも久しぶりの鈴鹿での走行ながら好タイムを記録したため、チームは2人に正式なオファーを出した。

 

7月5日(水)6日(木)のテスト時に津田拓也/ハフィス・シャーリン/ダン・リンフットの3人体制を発表。チームのゼッケン番号は3人のライダーが今年のレースで使っているゼッケン番号を足した数字、76を採用。リンフットはイギリス・スーパーストック選手権参戦のため来日しなかったが、5日(水)にシャーリンが走行。しかし、シャーリンは雨の中、転倒を喫してしまう。棘突起骨折と脳震盪の診断となり、6日(木)の走行を見合わせた。

シャーリンはマレーシアの病院で精密検査を受け、診断書をFIM(国際モーターサイクリズム連盟)に提出した結果、7月末の再診断が必要と判断された。シャーリンはスーパーバイク世界選手権を欠場することにはなったが、8月の鈴鹿8耐には間に合うと意欲を示し、参戦への準備を進めてきた。

しかし、チームとしては万が一、シャーリンの参戦が叶わないことも想定し、2人体制でも鈴鹿8耐を闘えるように準備を進めていった。レースウィークになってシャーリンは来日し、事前テスト走行を走ったが、FIM のドクターストップがかかり、シャーリンの欠場が決まった。

チームは大きな戦力を失うことになるが、シャーリンの命と今後の彼のレース人生を考え、チームは津田拓也とダン・リンフットの2人体制で鈴鹿8耐を闘う決断をした。

 

■公式予選で平均タイム7番手につける
シャーリンの欠場が正式に決まったのは8月4日(金)の予選開始直前のことだった。チームはRider Blue:ダン・リンフット、Rider Yellow :津田拓也のラインナップに編成を組み替えて予選に出走した。

8月4日(金)の予選1回目では路面温度が60度を超える猛暑の中、ダン・リンフットが2分7秒296の好タイムをマーク。普段は異なるメーカーのバイク、タイヤのマシンに乗っているリンフットはすぐにスズキ/ブリヂストンのマシンに順応した。津田拓也もグループ3番手となる2分7秒175をマークした。

8月5日(土)の予選2回目は2人ともベストタイムを更新できなかったが、2人のライダーの平均タイムは2分7秒236となり、予選7番手で最終予選「トップ10トライアル」への進出を果たした。

 

■トップ10トライアルでビッグサプライズ!ファンの心を鷲掴みに
6年ぶりに実施となった最終予選「トップ10トライアル」。予選の上位10チームのライダー2人ずつが出走し、1人ずつタイムアタックする鈴鹿8耐の名物イベントだ。

「オートレース宇部Racing Team 」は初出場ながら「トップ10トライアル」に進出。第4走者としてまずダン・リンフットが出走し、2分7秒671をマークし、この時点で2番手に。

そして、この後、ファンがアッと驚くビッグサプライズをチームは用意した。津田拓也の出走マシンに、昨年まで津田拓也が開発ライダーを務めたSUZUKI MotoGP マシンのカラーリングを施したカウルを装着。

津田のヘルメットもライディングスーツもMotoGP で使っていたものをモディファイした青色の出立ちで登場。「プロライダーとして育ててくれたスズキに感謝の気持ちを伝えたい」というメッセージと共に津田のアタックが始まると、鈴鹿サーキットの観衆の目は津田拓也の走りに釘付けになった。

そして、この後、ファンがアッと驚くビッグサプライズをチームは用意した。津田拓也の出走マシンに、昨年まで津田拓也が開発ライダーを務めたSUZUKI MotoGP マシンのカラーリングを施したカウルを装着。

津田のヘルメットもライディングスーツもMotoGP で使っていたものをモディファイした青色の出立ちで登場。「プロライダーとして育ててくれたスズキに感謝の気持ちを伝えたい」というメッセージと共に津田のアタックが始まると、鈴鹿サーキットの観衆の目は津田拓也の走りに釘付けになった。

津田は2分6秒811のチームベストタイムをマークし、その時点でトップに浮上!スズキファンはもとよりバイクレースファンの心を捉える演出で「オートレース宇部RacingTeam 」は観衆の拍手喝采を浴びた。

トップ10トライアルは7番手。順位を上げることはできず7番手からのスタートが決定。その後のナイトピットウォークでは大勢のファンが「オートレース宇部Racing Team 」のピット前に詰めかけ、大いなる注目を浴びることに。SNS のフォロワー、コメントも急増し、チームは順位以上の大きなファンの期待を獲得したのだ。

■表彰台も見えた決勝は5位完走、繰り上げで結果は4位に!
台風6号の影響で悪天候も予想された決勝レースは曇り空の中、スタートに向けた進行が始まった。スタートライダーはダン・リンフットが務める。
午前11時30分、伝統のル・マン式スタートで第44回・コカコーラ鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝レースがスタート。7番手からスタートしたダン・リンフットは6番手にポジションを上げオープニングラップを終える。トップグループでレースを展開しながら、12周目には4位に浮上した。

1回目のピット作業を終え、「 76 オートレース宇部 Racing Team 」は激しい4番手争いをしながらレースを進める。鈴鹿8耐では7回のピットインが理想だが、オートレース宇部は8回ピットで走る計画。レースが落ち着いてきた2時間経過後もオートレース宇部のマシンはライバルたちと接近戦を演じていた。

そしてライバル勢の相次ぐ脱落が起こり、137周目には3位に浮上。チームが目標としていた「初出場で表彰台」が現実味を帯びてきた。しかし、その直後に西ストレートでの転倒車両発生によるセーフティカーが導入。8回ピット作戦のオートレース宇部は4番手に順位を下げることになる。

18時過ぎに雨雲が鈴鹿サーキットに到来。路面がウェットコンディションになりつつある中、オートレース宇部はピットインでレインタイヤを選択。しかし、雨は長くは降り続かず、レインタイヤを選択したチームは厳しい状態になった。またピット作業でもタイムロスがあり、7回ピット作戦を選択したチームが有利な展開になってしまい、表彰台の可能性は低くなった。

最後のピットインを終え、ダン・リンフットが締めくくりの走者に。5番手でコースに戻ったオートレース宇部はダン・リンフットが「# F.C.C. TSR Honda France」を猛追する展開に。最後にオーバーテイクが期待されタイム差3.095秒まで追いついたものの、結局5番手でチェッカーフラッグを受けた。表彰台を逃した悔しさは残るが、初めての鈴鹿8耐参戦で5位はファンに対して大きなインパクトを残す結果となった。

そして、レースの2日後、2位のチームに車両違反が発覚し、「#76 オートレース宇部 Racing Team」のは4位に繰り上げが決定した。

決勝: スタート7番手 / 決勝:4位

■初めての鈴鹿8耐を終えて
初挑戦となった鈴鹿8耐で4位という結果を残すことができました。ハフィス・シャーリン選手の欠場など、レースウィークに入る前から様々な心配事があった鈴鹿8耐でしたが、無事にフィニッシュを迎えられ嬉しく思います。

初挑戦で表彰台という目標を達成したかったのですが、これが今の我々の実力だったとも言えます。ただ、出場できないハフィスをはじめチームは全員がそれぞれの仕事に全力で取り組んでくれたことを誇りに思います。

様々な関係者のご理解とご協力があって「トップ10トライアル」のサプライズ企画が実現できた事に感謝申し上げます。そしてトップ5位以内でフィニッシュできたことによって、ファンからの注目度が一気に高まり、 のフォロワー数、インプレッション数などが鈴鹿8耐への参戦を通じてご注目いただいた事にも感謝申し上げます。

また、応援ホスピタリティラウンジ席をご購入頂いたパートナー企業の皆様にも鈴鹿8耐への挑戦を生で体感して頂き、心に残る何かを持って帰って頂けたのではないかと思います。

鈴鹿8耐で生まれた良い流れを、今後の全日本ロードレース選手権のレースへと繋げ、さらに強いチームに成長できるよう邁進して参ります。更なるご支援と現地でのご声援を賜りますようお願い申し上げます。

オートレース宇部 Racing Team
チームディレクター
中井 貴之

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


上部へスクロール